あとがき
 
 わたしがこのシリーズを始めたのは、季刊『コイノニア』の57号(2007年春)からで、その時の題名は「知恵と黙示」でした。それが「ヘブライの伝承」となり、かれこれ10年ほど会誌に連載を続けてきたことになります。このシリーズとほぼ並行して共観福音書講話をコイノニア会の集会で語り続けてきました。旧約聖書からイエスの霊性をたどることと、共観福音書のイエスとが、いつもわたしの念頭にあったからです。新約とは違って、旧約のほうは、扱う期間も格段に長く、文献的にも不明な点が多く、内容が錯綜しています。それだけに、ヘブライの伝承をようやく終えることができたのは、わたしにとって大きな喜びです。共観福音書のほうは、未だ道半ばですが、これを機にこちらのほうも成し遂げたいと願っています。どうぞ、お祈りください。
       2016年4月20日  京都嵯峨野にて  私市元宏

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