民主化する民される民
          (2023年2月12日 )
 民主化する民は、される民と敵対関係に陥ってはなりません。現在、ウクライナと組んでロシアと戦っているアメリカが、ロシアを民主化することはできません。注目していただきたいのは、筆者が唱える「キリスト教的な民主化」には、人類学的な視野から見るキリスト教の救済史がその背景にあることです。キリスト教の救済史から見れば、日中の武力による対立は、救済史を阻害するものであっても、決して救済史の成就に資するものではありません。だから、救済史的な視野から見れば、武力による衝突は愚か、経済的な制裁措置さえも、日中のあるべき関係を損なう恐れがあります。筆者は、2023年の現在、欧米がロシアに対して行なっている経済制裁でさえも、ロシアの民への民主化を助長するどころか、ロシアの民衆を苦しめることで、逆にロシアの民主化への障害になっていると見ています。日中は、経済的に協力し合うことで初めて、相互の民主化を達成することが可能になるからです。
            五分間説教集