ウクライナ戦争への疑念
(2023年5月3日)
ウクライナの戦況について、日本では、連日、テレビや他のメディアで、驚くほど詳細な解説が行なわれています。アメリカのウクライナへの軍事援助を見ていると、今や、アメリカの代わりに、ウクライナがロシアと戦う「代理戦争」の舞台になっているという印象を受けます。日本人がウクライナに関心を持つのは、アメリカに代わって「中国と戦う」明日の日本の姿をウクライナと重ねているからです。不思議なことに、アメリカは、ロシアがウクライナへ侵攻することを「予め予測」していながら、ロシアにその侵攻を思いとどまらせようとする手を打つことをせず、ロシアからの侵攻を<未然に防ぐ>方法をウクライナにも一切伝受<しなかった>ことです。
【疑念Ⅰ】私がこの点を重視するのは、現在、日本は、まだ中国との戦争に入って<いない>からです。だから、「この段階で」アメリカは、中国と日本に対してどういう政策を採るのかを最大限に重視しています。驚くべきことに、テレビや新聞に登場する日本の専門家たちは、ウクライナ侵攻の<前の段階>について、誰一人、「この疑念」に言及しないことです。日本のメディア情報の背後に、なにか隠された裏の操作があるのでないか?という疑念を抱くのです。
【疑念Ⅱ】ロシアと戦うウクライナは、アメリカの軍事援助に支えられていることがはっきりしています。これによって、アメリカの軍需産業と情報産業は莫大な利益をあげています。プーチンとロシアを悪者に仕立て、これと妥協せず何処までも戦う姿勢を崩さないゼレンスキーは、今や、アメリカと日本では英雄扱いです。日本では、誰もこの事態への疑念を口にしません。中国は、こういう裏事情を見抜いていると言わんばかりに、ロシアとウクライナが停戦に合意する道を探っていることを世界に向けて示しています。ところが、日本のメディアは、この中国のやり方を冷たく批判的に見ています。さすがに、最近、日本の心ある少数の識者たちが、疑念Ⅰと疑念Ⅱに気づいているようです。
【警戒Ⅰ】ゼレンスキーを支持するアメリカは正義で、ロシアのプーチンは悪魔である。こういう価値観を日本を含む欧米のメディアが流し続けています。「正義のアメリカ」によるゼレンスキーの戦争支援の裏には、アメリカの情報企業や軍需産業の膨大な収益が隠されています。しかし、日本では、誰もこういう疑念を口にしません。もしも今、アメリカの尻馬に乗って、対中国との戦争へ日本の国民を駆り立てるなら、将来において、現在起こっている出来事の「深層に潜む真相」が暴かれて明らかにされたときに、その者は、日本を危険にさらし、血を流す戦場にした責任を問われて、「戦争犯罪者」にされ、厳しい非難を受けるでしょう。
【警戒Ⅱ】アメリカの反中国政策の裏には、日本を代理にして中国と戦わせようとする政策が見え隠れします。すでに日本の極右の連中が、この事に気づいています。しかも彼らは、この状況を利用して、アメリカと手を組みながらも、「アメリカの悪巧み」から日本を独立させ、その上で、日本が中国と戦うことを志向しています。彼らは、これを機会に、日本の再軍備を推し進め、日本独自の核武装を目指しています。こうなると、将来、日本人の間で、中国への敵対感情以上に、反米感情が芽生える危険があります。将来、日本が戦場になり、多くの日本人の血が流された場合に、アメリカに味方した日本人は、左翼からも極右からも悪者扱いされ、国賊として裏切り者扱いされる危険があります。
【解決】以上の二つの疑念と二つの警戒に応えて、日中、日米の両方の関係の平和を維持し、「とにかくアジアの平和を守る」道こそ、『東アジアにおける日本の使命』が目指していることです。三位一体の神の御霊の不思議な知恵のお働きを覚えます。
*時事告刻欄のアメリカの対ロシア政策の盲点もお読みください。
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