第四の道
       --日本のクリスチャンへ--
      学友との神学的談話会(2020年11月5日)
 先に発表した「皇室と平和憲法」について補足します。神道の祭儀に基づく皇室が象徴する「宗教的な国家(民)理念」に対して、日本のクリスチャンはどのような姿勢で臨むべきか? この課題について、現在、クリスチャンには、大きく分けて、三つの道が提示されています。
(1)クリスチャンは、国家とも皇室の神道とも、直接関わりを持たないで、言わばそれらから「距離をおいて」信仰の道を歩むべきである。したがって、これは、皇室とも日本の国家理念とも関わりを避ける「無関係」論です。
(2)日本の皇室は、神道の宗教から、「悔い改めて」、キリスト教の信仰へ改宗すべきである。これによって初めて、クリスチャンが敬うにふさわしい皇室になることができる。これは、いわば「皇室改宗」論です。
(3)日本の皇室は、その先祖をたどれば、渡来のユダヤ人に行き着く。だから、日本の皇室とこれが執り行なう祭儀神道は、ヘブライの宗教と多くの共通性を持つ。したがって、日本のクリスチャンは、この皇室とその祭儀を敬うべきである。これは言わば、「日本ユダヤ同祖」論です。
 私の「皇室と平和憲法」をよくお読みいただければ分かるように、そこで提示されているのは、上の三つのどれとも異なる
「第四の道」です。これによって、日本のクリスチャンは、心から、国を愛し皇室を敬愛することができるというのが、「皇室と平和憲法」が提示する道です。これも「護憲思想」に基づくものですが、ちなみに言えば、「皇室が象徴する宗教的な理念」を敬愛するという意味において、現在の共産党などが提示している「護憲思想」(非宗教あるいは反宗教の政治理念)とは異なりますから注意してください。
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