五民族平和のキリスト教補遺
(2021年4月18日)
以下は、今から18年ほど前に、MHKで放送された内容の覚え書きです。
毛沢東の中国は、中国が決して他の文明の価値観に降伏しないことを示している。中国が反キリスト教思想である共産主義を採用し、西欧ではなく旧ソ連と同じ路線を歩んだことは示唆的である。しかも、中国は、ソ連の価値観をも受け入れず、独自の路線を歩んでいる。中国は、アメリカとよりも、より歴史的につながりの深いイスラム圏と結びついて、反キリスト教で反米的な価値観をとり、これによってアジアを統一しようとする時がきっと訪れる。中国は、やがてアジアで、アメリカの国力を凌ぐ優勢な指導者となる。なぜなら、彼らは<待つことを知っている>からである。だから、日本は、アメリカと中国との間で、仲介の役割を粘り強く果たしながら、自分の時がくるのを待つのが最も賢明な政策である。〔NHKスペシャル:毛沢東の中国(1993年12月25日)〕
2021年4月の現在、 私は、コイノニア会のホーム・ページで、三位一体の神観に基づく日本人のキリスト教が、やがて東アジアの五民族に平和をもたらす時が来るという予測を提示しています。しかし、これの正当性をめぐって、多くの批判や反論に出逢うことが予想されます。一つには、この信仰が、ほかならぬ、かつて中国へ侵攻した日本人から出ているという理由からです。ところが、皮肉にも、現在は、かつての日本の何倍もの国力を持つ中国が、かつての日本のように! アジアを制覇しようともくろんでいるのです。しかも最近では、プーチンのロシアも、ウクライナに向けて、かつてのソ連が行なった侵攻を企てているようです。アメリカ=ヨーロッパ対ソ連、アメリカ=日本=オーストラリア=インド対中国、世界規模での「二つの冷戦」が、パンデミックの疫病と、米とソ・中との対立と抗争のために、世界を脅かしています。この危機的な状態の中で、西のドイツと東の日本が、対立と抗争を食い止めて世界の平和を保つ役割りを担わされています。かつての二つの「戦争犯罪国」が、今は平和愛好国となって、世界平和の役を担うという、まことに不思議な巡り合わせです。こういう障害の中でも、日本は、平和を創り出すという使命をその国家理念として掲げて、アジア諸国をリードしなければなりません。このためには、イエス様の御心に従う心からの誠実さが求められます。イエス様が「まことに、まことに、あなたがたに言う」と繰り返し言われたとおりに、嘘偽りのない「まこと」をもって語り続けることが大事です。
私が今提示している信仰は、「国と国との間に平和を築こうとする」ことですから、このために、信仰は、宗教的な視点からだけでなく、「政治的、社会的な」視点からの批判と反対に曝されることが避けられません。私は、現在の台湾が、キリスト教を受け容れることで、その自主独立を全うして歩むことを願っていますが、これは、現在の中国の政治権力にとって、とうてい受け容れがたいことです。この問題に限らず、こういう福音的霊性が広まり、受け容れられるにあたっては、現在の中国が、最大の障害になるであろうとさえ予想されます。なぜなら、イエス様の福音は、民の霊的な個性と民族性を活かす霊性を具えているからです。いま中国の脅かしを受けている台湾だけでなく、新疆ウイグル自治区もチベットも、さらには香港も、政治的な支配と束縛から解放されて、それぞれの民族性を活かした個性を発揮できるようになること。これが、今提示する福音の目指していることだからです。
だから、中国を始め、アジアの五つの国々には、イエス様のこの福音こそが、ほんとうの意味でその国(と政府)にとって、神の恵みにあって益になり幸いになることを悟らせることが、求められてくることになります。もしも、中国の政府が、イエス様の福音を受け入れて、チベットやウイグルの自治区に自由を与えるなら、その時こそ、中国は、「ほんとうの偉大な国」として、世界の国々から尊敬されるでしょう。私が今提示する福音は、日本から2021年の現在の中国に向かって、「このこと」を発信しつつ、これを実現させようと忍耐強く信仰と祈りを続けることにあります。
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