A       艱難の中で働くイエス様の御霊
         =エリヤの体験から=
          東京集会(2021年7月10日)
     京都集会(2021年7月31日)
■「パトリア」のために
 今回は、エフェソ3章14〜16節から語ります。そこに、「もろもろの天と地の<パトリア>のために祈るように」とあり、その祈りによって、「父なる神の御栄光から注がれ、人の内面に力強く働きかける聖霊の力が授与される」とあります。「パトリア」とは、民族・部族・家族(英語訳は "families")の意味ですから、個人だけでなく、家族と民族のためにも、イエス様の救いを祈りなさいということです。そうすれば、「ものすごい聖霊のお働きが与えられる」のです。だから、日本の民の救いのために働いてくださる聖霊の力強いお働きについて、列王記上18章1節〜19章18節で語られるエリヤ体験を読みましょう。エリヤ体験は、今月の東京集会でも語りました。
■艱難の中に働く神
 北王国イスラエルの王アハブ(在位前869年〜前850年)は、北方のシドンの王の王女イゼベルを后(きさき)にしました。お后のイゼベルは、カナンのバアルを拝む預言者たちに唆(そそのか)されて偶像を拝み、アハブ王もまた、彼女に唆されて、イスラエルの預言者たちを迫害します。エリヤは、これと闘い、カルメル山で、バアルの預言者たちと対決し、彼らを殺しました。するとイゼベルは怒って、エリヤの命を狙います。恐れを抱いたエリヤは、南王国ユダの最南端のベエル・シェバまで逃れて、その南に広がる荒れ野を歩いて、しだの木の根元で休みます。
 わたしたちの国では、阪神淡路大震災、東日本大震災と福島の原発事故、そして今回の世界的なコロナ危機が起こりました。これで治まるかと思いきや、次には、このコロナ禍が原因で訪れる経済的な危機があります。世界的な視野で見るなら、生活が苦しくなって食べられなくなると次に戦争が起こります。「疫病と飢えと剣」、聖書に度度(たびたび)出てくるこの三点セットが怖(こわ)いです。日本もこの影響を受けることになるかもしれません。残念ながら、日本の政府のやり方を見ていると、その場限りで先行きの見えない政策ばかりです。しかも、失敗しても、<そのやり方を改めない>ことが最大の危機です。先が思いやられます。
■嵐と地震と火の体験
 こういう困難の中で、エリヤが悩んでいると、大風が起こって彼に吹きつけます。この現象も主の御業ですから、これも神体験の一つです。しかし、そこには、まだ、「ほんとうの」主の御臨在は現われません。「ほんものの」主のお働きには、主からの大事な親しい「語りかけ」があるからです。嵐のように激しい体験でも、まだ、ほんものではありません。今度は、エリヤの体が地震のように振り回されます。それでも、そこに、ほんとうの主は見いだせません。すると今度は、燃える火がエリヤを襲います。それでも、まだ、ほんとうの主を見いだすことができません。
■まことの霊操
 最後に、今度は、静かに「ささやくような」主の語りかけが与えられます。御霊は、イスラエルに「新しい王」を立てるようエリヤに告げてから、こう言います。「北王国イスラエルには、バアルを拝まない主の民が、まだ七千人いるのだよ」と(<七>は完全数で<十分>を意味します)。そこで初めて、エリヤは、ほんものの主の御臨在に与ることができました。それは、静かでありながら、今までに勝るとも劣らないものすごいパワーに満ちています。
■和敬清寂
 茶道に、「和敬清寂」という言葉があります。「和やかに」「うやうやしく」「きよらかに」、しかも「確固として動かない」。こういうのが、主の御霊のお働きです。どこまでも、御霊の風に自分を委ねると、人をとがめず、己を責めず、ただ、ひたすら御霊の驚くべきパワーが働くのを知るのです。神様が、イエス様を通じてなされる御霊のお働きは、まことに不思議です。ここにおられる皆さんは、一人一人が、主の御霊にあるかけがえのない器(うつわ)です。大丈夫です。教会に属している人も、いない人も含めて、「イスラエルの七千人」が、この国にも必ず与えられます。
■救国のイエス様
 この国では、たとえ官邸は頼りなくても、この国の民はすごく立派です。「Go Toコロナ」で始めた政府は、「コロナから復興するオリンピック」だと言いながら、その実、「コロナを復興させるオリンピック」になってしまいました。ところが、ぎりぎりになって、東京のオリンピックを「無観客」に抑えたのは、官邸の力ではない。「都民の力」です。阪神淡路の震災も、東日本の震災も、民間が助け合って復興してきました。原発事故では福島の英雄50人が命をかけて事故を最小限に留めました。
 これらは、日本の民が、イエス様によってすでに贖われていることの証しです。この国の民、一人一人の個性を発揮させ、その家族を護り、その国を護ってくださるイエス様の御霊のお働きがあれば、大丈夫です。危機の時こそ、イエス様の御霊が働いてくださいます。今後、たとえ、この国を取り巻く世界情勢が、どんなに危なくなっても、大丈夫です。イエス様は、そのお力を発揮して、この国の民にお働きくださって、必ず、「イスラエルの七千人」が与えられます。
■反日から親日へ
 前回は、日本と韓国のキリスト教徒の有り様について語りました。今回も、このことを受けて最後に付け加えたいと思います。「パトリア」のために祈るとは、先ず、自分に与えられたイエス様への信仰が護られることです。次に、自分の家族が護られることです。そして、自分の国が護られることです。しかし、隣の国を幸せにシナイ信仰は、自分の国を幸せにできません。隣国を幸せにするイエス様だからこそ、自分の国の幸せを必ず護ってくださるのです。韓国にも、罪を赦し贖う父と御子と御霊の絶大な恩寵のお働きを信じる熱心なクリスチャンが必ず居るはずです。反日の韓国を親日にするために、日韓両国の主イエスの民が、心を合わせてコイノニアを広げること。これが、わたしたちへのイエス様の御霊のお働きであると悟ってください。そうすれば、この日本を救う十分な数の主の民、「イスラエルの七千人」が、必ず与えられます。
                          時事告刻へ       聖書と講話欄へ