ASEANの民主主義はいま
(『朝日新聞』2025年4月1日)
▼カンボジア上院議員アルディ・セン氏
▼元マレーシア下院議員チャールズ・サンティアゴ氏
▼インドネシア下院議員マーシー・バレンズ氏
【質問】日本にはどのような役割を期得するか。
【セン氏】米国はルールに基づく国際秩序を促進しできたが、トランプ氏か放棄した。今回、来日したのは、日本が「普遍的価値」の促進にさらに努めて欲しいからだ。中国は「安定」を望んでいるが、それは彼らにとっての安定で、「ルールに基づく秩序」ではない。しかし、日本は「法の支配」の本当の意味を理解している。日本はもはや傍観者ではいられない。この地域で指導的役割を果たしてほしい。
【サンティアゴ氏】第2次世界大戦後に構築された世界秩序は終息を迎えつつある。日本が「中国の存在感はあるが、日本もこの地域にいる」ということを示せば、ASEAN諸国もその役割を果たすことができる。日本の戦略的役割は対外関係においてこそ発揮されるべきだ。そうでなければ、中国が主導権を握ることになる。
【パレンズ氏】世界的に地政学的緊張が高まり、多くの変化が起きている。
だからこそ先見的なリーダーシップが日本やアジアの国々に求められている。日本や韓国、ニュージーランド、豪州はアジアのパートナーだ。経済的・政治的にもっと歩み寄り、声をあげていくことが必要だ。
こうしたリーダーシップが生まれ、アジアで普遍的価値観が生み出されば、米国の政策転換や、中国の変化などに直面しても、我々の地域は強くなることができる。
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