〔来信〕私の場合、異言で祈っている時に、さまざまな美しい絵画的なイメージがめまぐるしく現れて無意識の自分が解放されていくような感じを受けますが、何かを具体的に示されることは現在のところ、ないようです。
〔返信〕ヨーロッパのルネサンスの人たちは、夢や幻のイメージを大切にしました。それは、夢や幻などが、信頼できると考えたからではありません。たとえ信頼できなくても、そのようなイメージを手がかりにすることで、より高い霊的な次元へと到達できる第一歩になる、いわば真理に到達するための梯子であると考えたからです。ですから、ルネサンスの人たちは、人間の心に映じるイメージそれ自体が、不完全であることをよく知っていたのです。だから、これに頼ることをしませんでしたが、これを軽んじることもしませんでした。祈りの時に映像が現れるなら、それをそのまま受け入れていいと思います。ただし、これに頼ったり動かされたりしないでください。あるがままに受け入れながら、これにとらわれず、より深い霊的な真理に至ることを求める心が大事だと思います。