かつて、オウム真理教の信徒たちは、人を「殺す」(ポアする)ことが、その人を救うことだと信じて、信者となった理系の若者たちは、サリンを製造して地下鉄に撒きました。現在では、イスラム過激派の戦闘員たちが、「自己の命をアッラーに捧げて」、できるだけ多くの女性や子供たちを殺戮することで、神のもとで幸いになることができると信じています。これが、「宗教する人」(ホモ・レリギオースゥス)に潜む恐ろしさです。このような本性を具えた「宗教する」人類が、自己が信奉する宗教以外の民を心から信愛することは、その本性から見て不可能です。
それゆえ、神は、御子イエス・キリストを遣わして、その十字架の贖いを通じて、人の力を超える「神からの霊愛」を授与してくださるのです。それは、ホモ・レリギオースゥスに潜むあらゆる罪性をも「逆転させる」ほどの目もくらむ神の絶対恩寵の働きです。もろもろの宗教を真理へ導くように働く霊愛は、仏教徒をも神道の信徒をも、心から愛する霊性でなければなりません。このように高度な愛は、御子の霊性を通して初めて可能になります。アッシジのフランチェスコやマザー・テレサや小諸のママさんこと川口愛子先生。この三人は、主イエス様を心から愛した方々です。ニュッサのグレゴリオスが「魂の花婿」と呼んだナザレのイエス様の御霊が発する「愛喜び平安」(ガラテヤ5章22節)に輝く永遠の生命に生きた人たちです。私が「まことの日本の霊の人」と呼ぶのは、このような人たちです。
日本の霊の民へ