小さな体験
            石田晶彦(2013年10月18日)
 
御前に正座させられる
深夜か朝方か時はわからない。外はまだ暗かった。 
ガーデンランプがついていたかどうかまでわからなかった。 
ベッド越しに見えたのがサイドガーデンのだけだったためか。
 
寝床で“神様もう起きたくありません”という只、駄々をこねている祈りというか呻きでなく、
ちゃんと正座をさせられた。背筋はピーンと伸びていた。何か凄い緊張感があった。
こちらから願い事の祈りは一つもなかった。空気もピーンと張り詰めていた。
沈黙・静寂のしじまとでも言えばいいのか、その中にただ正座していた。 
いや、正座させられていたのである。
 
かなりの時間が経ったように感じられた。こんなに長い時間正座していると脚がしびれてしまう。そんな事を想う様になった頃、突然、御声がした。私の内部に直接響く、はっきりとした言葉であった。空気の振動から感じる声でなく直接心に明確に語りかけるものであった。
 
私は緊張した。何が起こるのか! 何をいわれるのか!と。
御声は、「お前の祈り、だれに、どのような力を持つものに祈り・願っているのか知っているのか! 
天地万物の創造主、宇宙の創造主とお題目のように唱えているが、お前はその絶大な力がわかっているのか!
その絶大な力と一如となるお前の祈りが実現しないわけがないであろう!」
 
その御声は明確にそういった。解釈も、翻訳も必要なかった。
 
私はしばらく怖れに包まれた。正座したままであった。
その内、そのまま倒れたのか、再び朝まで眠りについたのである。
 
“主客一如の祈りの極意、畏るべし”、これが起きてしばらく考えた末の今の感想である。
 
昨夜の体験を簡単にまとめたものです。<その絶大な力を一如となるお前の祈り>の表現など誤解を生むかもしれませんが、忘れない内に、書きとめた。その程度のものです。
 
追伸:起きてしばらくして、以上の記憶は確かにあるのですが、それが夢だったのか、それとも実際に起きて正座していたのかわからないのですね。
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