【来信】
本当に唐突な話なんですが聞いて頂けますでしょうか。私の知人の主婦のことですが、彼女とは1年前に知り合い、以来、月に1度、電話で話をする程度の付き合いです。私は知らなかったんですが、彼女は息子さんの登校拒否のことで悩んで、1ヶ月前、祈祷師の所に相談に行ったそうです。その頃から私に電話が頻繁にかかってくるようになり、彼女の悩みが深刻なことがわかったのです。
話を聞きますと、彼女は思春期の頃から霊媒体質で、日常的に金縛りや憑依現象があり、悩み続けてきたそうですが、この祈祷師に相談に行ってから、非常に体の調子が悪くなり、今は息子さんの事より自分が大変な状況になっていると言うのです。彼女の話によると、殆ど毎日、霊障に悩まされて夜も眠れず、この状況を切り抜けようと必死の奮闘が続いているというのです。
彼女は、以前から常々、自分の前世の因縁が気になっていたそうですが、祈祷師に会ったとき、その点をハッキリと宣言されて、いよいよ、それが気になりだしたそうです。その宣言された話の内容とは、時代はかなり遡り、戦国時代、武将同士の勢力、権力争いに巻き込まれ犠牲になって亡くなった民衆たちの恨みが、その当時、その地域の有力者であった自分の祖先に向けられ、以来時代を超えて、今生に於いても、生まれ変わった自分達家族に向けられているというのです。
彼女は成人した頃から、仏教の道を目指してきたそうです。そして今回、祈祷師に示されて、自分の前世の過ちをおわびし、供養しなければと本気で思い始めたら、多くの迷える霊が自分をめがけて押し寄せてくるようになり、今、悲鳴をあげているのです。
本当に、このような話を聞いても私には半信半疑で、ピンとこないのですが、憑依などは私も2〜3回、記憶にのこる体験があったので、理解できる部分は多少ありました。
このような話に対処できる方法など、私にはわかりません。ただ、何か手伝えるならと思って話を聞き、まず、「ご供養といっても、あなた自身が平安な心を取り戻さないと何も始まらないのでは」と言い、真理は宗派を超えて通じると思って、聖書のことばを引用したり、神様の愛を語りながら、「あなたの信じているのは仏教だけど、天地をつくり、生き物すべてをつくり、愛で慈しんでくださる大いなる神様に助けを叫び求めましょうよ」といいました。ですが、彼女には私の思いは、なかなか伝わりません。私は、キリストの神様に向かって、彼女の救いを願って祈りましたが、なかなか状況が良い方向に向かいません。私は、間違ったことをしているのでしょうか。
【返信】
まず最初に、あなたのなさったことは、少しも間違ってはいません。ただし、その方が、イエス様の福音に全く無関心でいるか、あるいはキリスト教に反感を抱いているのであれば、相手にあなたの気持ちと祈りとが通じるかどうか。私には分かりません。相手があなたに祈りを求めていない場合は、祈りを避けるほうがいいでしょう。
ただし、仏教徒はキリスト教信者とは少し違ったところがあるようです。たとえ自分は仏教を信じていても、キリスト信者にお祈りしてもらうことで、少しでも心が落ち着く。こういう考え方をする人もいるようです。だから、もしも相手の人が、あなたがキリストを信じていることを知りながら、それでもお祈りしてほしいと言うのであれば、「私はイエス様のみ名によってあなたのために祈るのですよ。それでもいいですか。」と念を押した上で、祈ってあげてください。そうすれば、その人も仏教徒のままでも、心が安まる場合があるかもしれません。
大事なのは、その方へのあなたの御霊にある思いやりなのです。これは不思議に通じますよ。先祖の因縁については、聖書講話の欄にある「06年名古屋集会の講話」(1)にほんの少しだけ話してありますのでご覧下さい。なお、ヨハネ福音書9章2〜3節を参考にしてください。
【再来信】
少し前あたりから、知人は、ずいぶん落ち着いてきて、あの騒ぎは何だったかしらと思うほどです。本人によると、「訳がわからなくなっている私に『そっちじゃない、こっちよ、こっちの方よ』と、あなたが言ってくれる方向に行ったら、抜け出ることができたのよ。」というのです。先生がおっしゃったように、私は「キリストの神様、どうぞ、お導き下さい」と、御霊の導きを請い願いながら話をしていたのです。イエスさまが働いて導いてくださったんだと思います。
【再返信】
よかったですね。あなたの経験したことは多くの日本のクリスチャンたちが、仏教やそのほかの宗教の人たちと交わる上でとても大事なことです。どうかこの体験を大切にしてください。